TOPICS

江戸古来の『曲独楽』造りに挑戦(Ⅱ)(全3回シリーズの[Ⅱ])

江戸古来の『曲独楽』造りに挑戦(Ⅱ)(全3回シリーズの[Ⅱ])

曲独楽を観ていると、簡単でひょっとしたら自分にも出来そうに見えるから不思議です・・・
でも実際にはその逆で、プロであればある程、難しい技をさりげなく見せるのだそうで
それも‘‘技’’の内とか・・・

[回らないコマ]
羽田空港国際線ターミナルビル2階の大田区観光情報コーナーに展示されているコマは
観賞用(視覚第一)で制作した為、重心バランスが悪く回すことが出来ません。

[曲独楽として求められる条件:美しく優雅に時としてしなやかに回る]・・・これをアクリルで実現
そのための条件は四つ
   真円度  ②重心  ③重さ  ④大きさ

最も重要なのは『真円度と重心』・・・これはとても難しい注文でした。
 単純な1色であれば比較的簡単なのですが、アクリルの特性を視覚的に引き出したい思いから
 下記イラスト(クリックすると拡大しますのように複数のカラ―をはめ込み接着固定したため
 真円度出しは困難なものでした


●一方『重心』は、安定性の面から極力低い位置が求められました。
 重心を下げるためにアクリルの強度を考慮しつつも、極限まで削り込みを行いました。

●曲独楽の重さは、演目毎に長年木製独楽で培われた目方があり、その領域へ向け削り込みの
 連続作業となりました。
 この削り込み作業で心がけた点は
   重心を考慮する事  ②デザインに配慮する事  ③強度に配慮する事



[回らないコマから回るコマへ・・・そして曲独楽へ]
次回最終回は、4カ月のあいだ試行錯誤を重ね、ようやく納得できる『蛍光カラ―入り‘‘透明独楽’’』を制作。
その実演技による評価結果についてお送り致します。