2011.08.10
江戸古来の『曲独楽』造りに挑戦(Ⅱ)(全3回シリーズの[Ⅱ])
曲独楽を観ていると、簡単でひょっとしたら自分にも出来そうに見えるから不思議です・・・
でも実際にはその逆で、プロであればある程、難しい技をさりげなく見せるのだそうで
それも‘‘技’’の内とか・・・
[回らないコマ]
羽田空港国際線ターミナルビル2階の大田区観光情報コーナーに展示されているコマは
観賞用(視覚第一)で制作した為、重心バランスが悪く回すことが出来ません。
[曲独楽として求められる条件:美しく優雅に時としてしなやかに回る]・・・これをアクリルで実現
そのための条件は四つ
①真円度 ②重心 ③重さ ④大きさ
●最も重要なのは『真円度と重心』・・・これはとても難しい注文でした。
単純な1色であれば比較的簡単なのですが、アクリルの特性を視覚的に引き出したい思いから
下記イラスト(クリックすると拡大します)のように複数のカラ―をはめ込み接着固定したため
真円度出しは困難なものでした。
●曲独楽の重さは、演目毎に長年木製独楽で培われた目方があり、その領域へ向け削り込みの
連続作業となりました。
この削り込み作業で心がけた点は
①重心を考慮する事 ②デザインに配慮する事 ③強度に配慮する事
[回らないコマから回るコマへ・・・そして曲独楽へ]
次回最終回は、4カ月のあいだ試行錯誤を重ね、ようやく納得できる『蛍光カラ―入り‘‘透明独楽’’』を制作。
その実演技による評価結果についてお送り致します。